まめ日記*ichigo-ichie

一期一会を大切に、日々出会った人やモノ、 ふと気になったことなどを気ままに綴っています。
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食堂かたつむり

食堂かたつむり食堂かたつむり
(2008/01)
小川 糸



この本が出たときからずっと気になっていたけれど、気持ちが沈んだら辛いなぁと思い、先延ばしにしていました。
年の瀬を迎えて、少し身の回りを整理したくて、思い切って読み始めました。

主人公りんこは、ある日、インド人の恋人に逃げられ、家財道具一切を失ってしまう。そして声がでなくなってしまう。
残されたのはおばあちゃん直伝のぬか床と、バスケットかご。
どこにも行く当てのないりんこは、故郷に帰り、大嫌いだった母と再会する。
母の経営するバーの隣で「食堂かたつむり」をオープンし、一日一組の予約客をもてなし始める・・・



りんこの心の動きは説明が丁度よくて、読んでいて自然にその世界に入り込めました。
田舎の景色の描写や料理の素材、作る様子が丁寧に描かれています。
それと対照的(なのかな)に、時々不自然に「性」を意識させる言葉が出てきて。
子供らしさの裏返し、なのか、「生」と「性」のつながりを意識させようとしたのか、単なるアクセントかが自分にはちょっとわかりにくかったです。
(特になくてもよかったなぁ・・・と思う。)

母と娘の葛藤と赦しは、どの親子でもそうかもしれない、と思いつつ、文字を追う目の動きがゆっくりになりました。
反発が強ければ強いほど、裏返ったときの愛情の深さに泣けてくる。
永遠の喪失感とどう向き合うか、で、人としての奥行きに違いが出るのかなあなんて思いました。

話自体テンポ良く進むわけでもないし、ハリウッド映画のように100%ハッピーエンドになるわけでもない。
それでも、人の心が辿る軌跡を丁寧になぞりたいとしたら。
是非、この本を読んでみてください。
女性向き、かな。
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【 2008/12/12 (Fri) 】 和書:小説・エッセイ | TB(0) | CM(0)
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