まめ日記*ichigo-ichie

一期一会を大切に、日々出会った人やモノ、 ふと気になったことなどを気ままに綴っています。
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ホロリ

いつか眠りにつく前に

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原題  EVENING
監督  ラホス・コルタイ
脚本  スーザン・マイノット、マイケル・カニンガム
出演  クレア・デインズ、トニ・コレット、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、パトリック・ウィルソン、ヒュー・ダンシー、ナターシャ・リチャードソン、アイリーン・アトキンス、メリル・ストリープ、グレン・クローズ、メイミー・ガマー
製作年 2007年
製作国 アメリカ ドイツ
時間  117分

見終わったときに静かに満たされている感じがしました。
一度だけの人生を生きることについて何かを感じられる作品です。

ストーリー:
年老いたアンは病を患い余命いくばくもなく、ベッドで一日を過ごしている。時折夢か現実か、「ハリス、連れて行って・・・」と看病している娘たちの知らない男性の名を口にする。
そこには40年前、アンが親友ライラの結婚式に訪れた夏の2日間の思い出が隠されていたのであった・・・

☆☆☆このあとはネタばれを含みます☆☆☆

40年前の夏と今とを行ったり来たりしながら物語は進みます。
アンとライラ、その弟のバディは大学以来の友人。卒業後ライラの結婚式にブライズメイドとして出席するためにアンはライラたちの夏の別荘(豪邸)を訪れ、ハリスに出会う。

ハリスはライラたちの家の家政婦の息子で医者。ライラは本当はハリスのことが好きだったのにあきらめて家柄の釣り合う人と結婚していく。
そこにアンとバディの関係やハリスとの出会いが入り混じって、忘れられない、甘く、そして切り刻まれるほど苦しい出来事が起きていきます。

死の床にあるアンは最期にこの日を「最初の過ち」として思い出すんだよね。
嬉しいだけじゃない、辛く、苦しいこともまた心の奥に刻まれて、パンドラの箱を開けるように何かのたがが外れた瞬間記憶の淵から蘇ってくる。
だから事情を知らない人は分けのわからないうわごと、せん妄のように思ってしまうのかもしれない。

そんな母親を見守る二人の娘にもそれぞれの事情があって。
姉のコニーは結婚して2人の子供を育てながらも自分のキャリアを築こうと働いている。子供に不憫な思いをさせているのではと思いながら。

妹のニナは舞踏家をあきらめて職を転々、彼氏をとっかえひっかえし、漠然とした不安を抱えながら生きている。今の彼氏に結婚して子供を持とうと言われても、やっていける自信も、子供がほしいかもわからなくて。
そんな中での妊娠発覚。

アンがときどき正気に戻るんだけど、そのときに娘たちと交わす会話がとてもよくて心に残りました。 
誰にも言えないこともお母さんになら話せるし、お母さんは無償の愛情で娘のためを思ってアドバイスしてくれるから。

そしてライラとの久しぶりの再会シーンが良いのです。
景色はまるで40年前のネガポジのよう。ライラがそっと優しくアンを包んで。

あの夏のことがあって、その後紆余曲折の人生、ハリスと共に生きない人生を選んだアンが「これでよかったのか」と疑問をぶつけたときに、ライラが人生において過ちはないと、幸せなこともそうでないことも失敗ではないのだという答えた台詞にホロリと泣けました。
まるで自分のことのように感じてしまったから。

いいことばかりじゃなかった。辛いことも、恥ずかしいことも、悲しいことも。
時に自信を失いどうやって生きていけばよいのかと迷うときも。
それでも起きたこと全ては無駄ではなくて、選んだ全ては間違っていないと、受け入れられた気がしました。
アンの過去へのわだかまりがすぅっと消えていったのだと思う。

最後のほうに出てくる過去のシーンで、アンがまだ幼い二人の子供をあやしながらスパゲティを作ろうとする場面が『なんでもない日常の、でもかけがえのないささやかな幸せ』のように感じられてほのぼのした気持ちになりました。

絵的には、料理中なのに旦那が締め切り日だからと子供をアンに押し付けちゃうし、子供はあれこれぐずるし、あやすために(大人の)歌を歌ってあげて、でもその間にスパゲティはグズグズにゆだって、ソースはこげ始めそうな雰囲気で、まな板の近くにあるパンとかとっ散らかっていて、と生活感満点なのだけれど、どこかしらほんわかした感じがしました。

幸せはあちこちに転がっている。

意気揚々とした人生讃歌ではないけれど、少なくとも今までの自分が間違いじゃないと感じられたら、少し、ハッピーになれるはず。
そんな気がしました。

☆☆おまけ☆☆

特筆すべきはメリル・ストリープのうまさですよ、まったく。
良家の娘が結婚して年とったらこうなるだろうなぁといういでたちは勿論、アンとの会話や
ライラ(メリル・ストリープ)が帰り際にニナ(トニ・コレット)と言葉を交わすシーンをみて、あぁ、メリル・ストリープってやっぱり上手だよなぁ・・・と思ってしまった。
ニナが、ちゃんとアンの子供に見えたから。ニナにハリスと母親のことを尋ねられて答えるライラは『大人の女性』だった。うまい。

そうそう、そして40年前のライラを演じたメイミー・ガマーはメリル・ストリープの娘さんだというではないですか~。映画を見たとき、アン、ライラそれぞれ40年後の役者さんとしての顔立ち(雰囲気)が似てるなぁと思ったのですが、ライラ組は実の親子だったとは。映画を見終わってから知っただけに、あぁ!な感じがしました。

あと、脱線ですがメモメモ。
またしても”Nancy Drew"が台詞に出てきましたよ!娘たちがアンのうわごと「ハリス」が何者かを探すために昔のカードなどをひっくり返すんだけど、そこで出てきていました。字幕はどうかかれていたかは忘れました・・・

それと「グレイの解剖学」も! 今お気に入りのTVドラマ「グレイズ・アナトミー」もそのタイトルを「グレイの解剖学」(実在する解剖学の名著)に引っ掛けてつけたとかつけないとか・・・

なんかオタクっぽいかなぁ・・・!?
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