まめ日記*ichigo-ichie

一期一会を大切に、日々出会った人やモノ、 ふと気になったことなどを気ままに綴っています。
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Rachel's Holiday

Rachel's Holiday












"They said I was a drug addict"
から始まるこの小説。RachelはN.Yで勝手気ままに暮らしていたけれど、薬物中毒になり、治療を行うためボーイフレンドのLukeと離れ、故郷ダブリンにあるリハビリ施設へ入所することになります。



人に中毒よといわれてもさして自覚のないRachel。リハビリ施設へ行くのも、「もしかしたらビッグスターに会えるかもよ。」「スターが行くくらいだからスパのようなところで、ゆったりゴージャスに過ごせるわよ」などという姉妹の言葉にほだされたから。



行ってみるとそこには愛想のないドクター。他の入所者もどこか風変わりな、変な感じで、名前と何の中毒で入所しているかが挨拶代わりの世界。



いったいここでやっていけるのかしら、と思ううちにリハビリプログラムが始まり、初めは他人事と思っていた”自分にとっての真実”を直視することになっていきます。。。



☆☆☆このあとはネタばれを含みます☆☆☆


これは小説だけれど、中毒者自身が語り手になる話を読むのは多分初めてで、私には新鮮でした。



ストーリーは施設の中の生活と、N.Y.でのどこか退廃的な暮らしとが交互に描かれています。
最初、N.Y.での暮らしが書かれている部分は正直あまり内容が理解できませんでした。
単語が難しいからか、一文が長めでつかみにくいからかなぁと思っていたのですが、今振り返ると、もしかしたらだけど、中毒になっていた頃の記憶(描写)なので、もうろうと・・・とまではいかなくても、きちんとした文章になっていない、そういうものなのかもしれないと思いました。
いや、自分に英語力がないからわかっていないだけかもしれないけれど(汗)



いちばん衝撃なのは入所者の”告白”の時間。めちゃくちゃ意地悪なセラピストJosephineが進行役となって、持ち回りで入所者に過去を語らせます。これは辛い作業だし、怒り出す入所者も。そして後日入所者の家族や恋人が施設にやってきて、グループワークの皆の前で語る「彼/彼女の真実」ー。
入所者は自分の記憶と異なり勝手なことを言う家族に対し怒り、暴言を吐き、やがて語られる姿と自らの記憶の断片とが合致し始め、本当の自分像が見えた瞬間、絶望の底に沈んでいきます。しかし周囲の励ましなどのおかげで徐々にその状態を客観的に見つめ、受け入れ、やがて立ち直っていきます。



Rachelも、自分にぞっこんだったはずのLukeと親友Brigitがやってきて彼女の真実を語るとき、彼らに怒りを投げつけ、深く絶望しますが、やがて冷静になったとき、徐々に”受容”を示していきます。
そうして全てを受け入れ、回復してきたときに語られる過去の記憶(NYで、薬物中毒症状からか、ある晩頭痛で眠れなくなり睡眠薬を大量に飲んで病院に運ばれて、それがキッカケでダブリンに引き戻されることとなった)は清明で、客観的で、凛としていました。
英語も、よくわかりました(笑)。
親友のBrigit。大好きだったけれど、実際は彼女と自分を比較してしまい限りなく自尊心が低くなっていたこと。Lukeが自分にぞっこんなのをいいことに、好き勝手放題に暮らしていたこと。
ごめんね・・・ごめんね・・・
この章をよんだときに、あぁ、彼女はひとつ階段を登ったんだなと思いました。



そして出所後しばらくしてからのBrigitとの再会。あの”告白”の日にひどい言葉を投げつけられたと感じBrigitを憎んでいたけれど、その感情も消え、再会を喜びとして受け入れられたRachel。Brigitも、訪問日にJosephine(本当は悪者じゃないの)に言われた「あなたたちがRachelをダメにしている」という言葉に憤慨しつつも、後日Rachelがダメになっていくことで自分の気持ちが安定した(優越感が持てた)と懺悔する。
二人それぞれの胸にあるしこりが、ぎこちないけれど徐々に溶けていくのがわかってジワジワっと温かい気持ちになりました。
その章の最後に書いてあるRachelの言葉が、今の私を撃ちぬきました。



"I felt strong, standing alone without crutches."



カッコイイ。かっこよすぎだよ、Rachel。



そして最後なんですが、こちらもまたよかった。電車の中なのに涙ぐみました(不審者)。
ジンワリあたたかく、幸せなナミダ。



でもね、こういう終わり方が大好きな自分が言うのも何なのですが、こうでない終わり方でも、ある意味清清しく、私は受け入れられたと思います。
例えば"Wの悲劇"のラストのような(たとえが古いねぇ)。



レベルとしては7前後かな。後半Rachelが自分を取り戻していく過程が素晴らしく、前半を乗り越えられる方には超お薦めです。



前半の乗り切り方としては、場面はN.Y.の回顧シーンかCloisters(リハビリ施設)か、あとはちょっとだけ実家、なので、それぞれに出てくる主要人物数名を抑えられればOKでしょう。
あとは、回顧シーンは文章がわかりにくくても気にせずガシガシ進むこと(笑)



うん。お薦めですよ、本当。



ここまで書いて思ったんだけど、これから読みたいと思っている人だったら「ここからはネタバレ」って書かれている以降の箇所は読まないよねぇ。
私、誰に薦めているのかしら。ハハハ~(爆)

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【 2007/09/28 (Fri) 】 洋書:ペーパーバック | TB(0) | CM(0)
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